映画『レヴェナント』について("The Revenant")

本日はこれも2年以上前に観た『レヴェナント』という映画についてちょびっと話したいと思います。

この映画は2014年に『バードマン』でアカデミー監督賞を受賞したアレハンドロ・イニャリトゥ監督が手掛けた映画で、アメリカ西部開拓時代がその舞台。毛皮狩猟を生業にしていた白人系ハンター達をガイドしていた主人公が、その途中でグリズリー(大型熊)に瀕死の重傷を負わされた挙句、そんな彼の最期を見届ける役を命じられていたはずの男に、これ以上足止めを食って先住民に襲撃されても面倒だからとトドメをさされそうになった上、それを止めに入った息子まで目の前で殺されてしまうという。

ここまで残虐な行為をしでかした男を決して許せない!と復讐を誓う主人公なのですが、なにせ瀕死の状態であるのに変わりなく、立ち上がって歩くことも出来ないため、最初は地面を這いずりながら移動、しかもそこは真冬の雪山という中で、肉体的・精神的にも既に限界の境地から途方も無い一人旅のスタートを切るわけです。更に更に周囲からも白人を許すまいとする攻撃的なインディアンが事あるごとに主人公(出身はスコットランドみたいです)を襲ってくるわけです。どう考えても無理!どう天地がひっくり返っても無理!と観客は心の中で何度も叫びながら、それでも全編を通して映し出される大自然の壮大な美しさや、主人公の復讐に対する思いと一人の人間として再生していく様子に心を奪われてしまうのです。

この映画で念願のアカデミー男優賞を受賞したレオナルド・デカプリオの好演も見事で、彼のとてつもなく気合の入った体当たり演技にも是非注目してほしいですね!