映画『シェイプ・オブ・ウォーター』について("The Shape of Water")

本日は全米で2017年12月に公開され、2018年3月に予定されているアカデミー賞の作品賞にノミネートされている映画『シェイプ・オブ・ウォーター』についてちょびっと話したいと思います。

本作品の舞台は1962年の米国-政府機関のとある研究施設で清掃員をしている発話障害の女性と、同施設に移管された異生物との間で育まれる愛の物語です。と、ざっくり説明をされれば美女と野獣のようなお話かな?と想像するかもしれませんが、確かにディズニー映画のおとぎ話のような展開やシーンも多々あるものの、そこはダークな作品が多い事で知られるギレルモ・デル・トロ監督が脚本制作した作品ということもあり、人間同士のドロドロとした描写・差別や性的・暴力的描写も織り交ざり、それが逆に本作の神秘性を醸し出すのに一役買っているように思います。ギレルモ監督は従来より映画作品の制作にあたり、観客にどうしたら喜ばれるのかといった事は一切考えず、あくまで自身が作り上げたいものを作るというスタンスを取り、娯楽映画や大作といったものには一切興味がないようで、本作も彼の考え方を理解し受け容れてくれたFOX SearchLightだったため制作実現させることが出来たのだとか(ちなみに、彼と同じメキシコ監督のアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督が以前に『バードマン』という一風変わった作品を制作した際にFOX SearchLightの理解あるサポートが後押ししたという話を本人から聞いたのも決め手だったそう)。

いずれにしても上述した通り、美女と野獣のような純愛ものを期待するとショックを受けるシーンが幾つもあるため、特に潔癖症の方にはあまりお勧めできないですかね。でもでも何といってもアカデミー作品賞にノミネートされているわけなので、その点だけとっても見て損は無いと思いますよー(笑)。